2023年の財務報告

リスク対応費の未消化により大幅な黒字見通し

Ｊリーグの2023年度予算は、新型コロナウイルスへの対応を前提とした公式検査費の計上など約8億円の赤字を計上していた。同年度決算見込としては、新型コロナウイルス感染症の分類変更に伴い、公式検査費用や各種現場でのコロナ対応費に関する予算の多くが未消化となるなど、全体的な費用が予算から下振れすることとなり、全体としては19億円の黒字と大幅に上方修正した着地となる見通しである。 2022年度との比較では、配分金構造の見直しに伴い均等配分金が減少した一方、重点施策の一つであるローカル露出に大きく投資を行っている。また、映像事業および商品化事業については商流変更に伴い、収益・費用共に減少している。

2024年度収支予算

成長投資の拡大と新たな理念強化配分金制度

Ｊリーグの2024年度収支予算は過年度の剰余金を活用する形で成長戦略を推進するべく、投資を拡大する方向で編成されている。主なトピックスは以下の通り。

リーグ運営経費の増加

Ｊ1リーグの所属クラブが18から20となることによる試合運営経費増。ＪリーグYBCルヴァンカップが全カテゴリー参加へ変更されることによる諸経費増。

クラブへの配分金の増加

新しい理念強化配分金制度が開始。競技順位およびファン指標順位に基づき、前年1～9位のクラブへ支給。

ファン拡大施策費の増加

2023年に効果的だった国立競技場利活用施策およびデジタル広告施策を中心とした投資増。