SEASON REVIEW 2023

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MANAGEMENT

Jリーグタイトルパートナー
明治安田生命保険相互会社 特別寄稿
~明治安田生命とJリーグの歩みと今後への期待~

明治安田生命保険相互会社
取締役 代表執行役社長 

永島 英器

Hideki Nagashima

スポーツが持つ“力”~Jリーグ協賛の 理由 わけ

明治安田生命は、2014年にJ3のタイトルパートナー、2015年よりJ1・J2・J3全てのカテゴリーのタイトルパートナーとしてJリーグを応援しており、早いもので、2024シーズンでパートナー10周年を迎えます。 スポーツには、『人を元気にする力』『人を集める力』『人と人、人と地域をつなげる力』の3つの“力”があると考えています。観る人を元気にし、一緒に応援することでつながりが生まれ、その輪が広がることでもっと応援する人が集まってくる、そのような力がスポーツにはあります。 数あるスポーツの中で、当社がサッカーを選び、Jリーグのタイトルパートナーとなったのは、単なる社名露出のためではありません。Jリーグの「百年構想」や「ホームタウン制」といった理念と、地域に寄り添うという私たちの想いがぴったりと一致しており、いわば「志を同じくする仲間」と思ってのことです。したがって、タイトルパートナー契約に加え、明治安田生命は全てのJクラブとも個別にクラブスポンサー契約を締結し、全国各地で活躍するJクラブとの絆を深め、地域貢献に取り組んでいます。 今、「地域創生」や「持続可能性」、「環境」への社会的関心が高まっていますが、これも私たちがめざすものと重なっています。また、当社は契約者が会社の構成員である相互会社であり、一方でJリーグは60クラブがそれぞれ運営に対して一票を持つ集団。ともに民主的でサステナブルな組織です。「時代が私たちの背中を後押ししてくれている」、そのように感じています。

「関係構築」から「共創」のフェーズへ

2015年からスタートした「Jリーグタイトルパートナー」第1期の4年間は、Jリーグとの「関係構築」をテーマに、まずは従業員4万7千人「全員がサポーター」を合言葉に、スタジアムでの試合観戦に行くことを大事にしました。 この取組みによって、Jリーグに関心のなかった従業員がスタジアムに足を運び、サッカーそのものの面白さや一体感のある応援に触れてJリーグが好きになり、自分の家族や友人、あるいはお客さまに「一緒にスタジアムに行こう」と声をかけて、輪がどんどん広がっていきました。その結果、現在では従業員の約8割がJリーグを応援するようになり、7割近くが1年に1回以上スタジアムに足を運んでいます。本取組みは、当社の一丁目一番地の取組みとして最も大事にしており、2023年10月時点で、累計観戦者数は200万人を突破しました。 つづいて、第2期にあたる2019年からの4年間は、Jリーグとの「共創」をテーマに、Jリーグとともに地域のみなさまの健康維持・改善に向けた取組みを応援する活動をスタートさせました。 この取組みでは、地域のみなさまへ健康増進に関する情報や運動機会を提供するために、当社が取組む「みんなの健活プロジェクト(※1)」の柱となる「明治安田生命Jリーグウォーキング」を展開しました。地域のみなさまと地元のJクラブ選手等が一緒に歩き、健康づくりを応援していく“明治安田ならでは”のウォーキングプロジェクトで、これまでに7万人以上の方にご参加いただきました。このほかにも、子どもたちの健やかな成長に向けて、「小学生向けサッカー教室」を全国展開し、これまでに1,300回以上開催しています。

2023年、さらに深まった10年目の絆

当社とJリーグは2023年1月に「Jリーグタイトルパートナー契約」を更新しました。この第3期では、「社会的価値の創出」をテーマに、Jリーグが2018年から実施している「シャレン!」を応援し、当社の「地元の元気プロジェクト(※2)」の一環として、各地域課題に応じた社会貢献活動に取り組んでいます。 その一環として、若い世代の献血が減少傾向である社会課題をふまえ、包括パートナーシップ協定を締結している日本赤十字社協力のもと、Jリーグ全クラブ等とともに献血の啓蒙活動を行なう「シャレン!で献血」をスタートしました。地域のみなさまへの献血ルームのご案内活動や、スタジアムに献血バスを誘致し、ファン・サポーターへの試合当日の献血案内等を通じて、定期的な献血を促進しています。2023年10月末時点で、献血協力者数は全国で8,000人を超えています。 また、昨今、気候変動等の環境問題が顕在化し、企業に持続可能な社会の実現に向けたアクションが求められている状況をふまえ、新たに「Jリーグ気候アクションパートナー」契約を締結しました。人々の暮らしを支え、豊かな恵みをもたらす日本の森林を未来世代につないでいくために、「明治安田×Jリーグの森 ~未来をつむぐ森~」における森林保全活動をスタートしています。 そして、2023年6月にJリーグが当社ビルに移転をしてきました。これを契機とし、明治安田生命ビルおよび隣接する明治生命館等を含めた街区を「明治安田ヴィレッジ」と呼称し、「地元のひとが元気になる空間」をコンセプトに、「文化」と「スポーツ」の発信を通じた地域の活性化をめざしています。7月には「明治安田ヴィレッジ・オープニングイベント with Jリーグ」を開催し、当社ビルや丸の内仲通りを中心にJリーグ関連イベントを協働開催しました。本イベントの開会式では野々村芳和チェアマン、中村憲剛さん、佐藤寿人さんにもご参加いただきました。また、8月にJリーグ移転記念として当社ビルの食堂にて移転歓迎会を開催し、当社とJリーグの従業員同士で懇親を深めることができました。 このほかにも、4年ぶりの「明治安田Jリーグワールドチャレンジ」への特別協賛等、さまざまな取組みが多方向で加速しました。Jリーグが開幕30周年を迎えた記念すべき年に、心も距離もグッと近くなり、これまで以上に絆が深まったと感じています。

Jリーグ移転歓迎会「明治安田ヴィレッジ(本社ビル22階食堂)」

これからのパートナーシップ~Jリーグに期待すること~

最近、「共創価値」という言葉を耳にすることがあります。会社と従業員だけで生み出せる価値というのはおのずと限界があります。大切なことは、経済的価値にとどまらず、健康、絆、幸せといった「多元的な価値」を、志を共にする仲間と一緒に共創していくこと。そして、絆を紡ぎ、育てるためには、「多元的価値」や「共創価値」がいっそう重要になってくると考えています。 今、世界では戦争等で国境の壁が高くなり、分断と格差が拡大しています。さらに、これまで大きな役割を果たしてきた、国家と個人の間の中間団体である地域社会や様々なコミュニティがかつての力を失った結果、「横のつながり・絆」がなくなり、世界中で孤独・孤立が社会問題となっています。 パートナー10周年を迎える2024シーズン。当社はこれからもJリーグを応援するとともに、これまで以上にJクラブと地域で協働し、地域社会の復権、「横のつながり・絆」の確保・拡大に努めていきたいと考えています。Jリーグには「地域に根差したスポーツクラブを核として、豊かなスポーツ文化を醸成する」という理念を引き続き大切にしていただき、共に歩んでくれることを期待しています。これからのJリーグ・日本サッカーの発展が、すべての人の幸せにつながることを祈念しています。
  • (※1)「人生100年時代」を迎え、健康寿命の延伸に対するニーズが高まっているなか、当社が「商品・ サービス・アクション」の3つの分野で、「お客さま・地域社会・働く仲間(当社従業員)」の継続的な健康増進を応援する取組み プロジェクト詳細:https://www.meijiyasuda.co.jp/enjoy/ld/kenkatsu/
  • (※2)「つながり、ふれあい、ささえあう地域社会を。」をコンセプトに、地域の橋渡し役として「社会的なつながり」を提供し、地域のみなさまと各地域の資源・コミュニティをつなげることで、豊かな地域づくりへの貢献をめざす取組み プロジェクト詳細:https://www.meijiyasuda.co.jp/brand/ld/jimotonogenki/