FAN ENGAGEMENT
ローカル露出強化に向けて
「60クラブがそれぞれの地域で輝く」の実現に向けて
Jリーグは2024シーズンに開幕以降最多の入場者数を記録した。その大きな要因の一つに、各地域での試合結果報道を含めたサッカーのメディア露出量の増加を挙げることができる。Jリーグでは、2つの成長戦略の一つである「60クラブがそれぞれの地域で輝く」の実現に向け、サッカーの普及促進を図るため、各地域におけるメディア露出を増やすことに注力してきた。各地域でのメディア露出を増やし、サッカーやJクラブへの関心度を高め、サッカーの普及促進につながっていくことを目指している。
2023年4月より、日本サッカー協会(JFA)とJリーグは、各地域のサッカー協会やその地域のJクラブ、各ローカル放送局と連携し、30地域(45都道府県)でサッカー番組「KICK OFF!」の放送を開始した(福島、富山、愛媛、熊本、鹿児島の5県は2022年10月に先行開始)。2024年4月には、同番組が、福井県、高知県を加えて32地域47都道府県での放送となり、日本全国へ拡大した。「KICK OFF!」の放送開始をきっかけに、各地域でのサッカーに関する報道が増加し、全国の民放放送局におけるサッカー情報に関するメディア露出量は、2022年の取組前と比べて416%となっている(広告代理店調べ)。
サッカー情報のメディア露出量増加は、各クラブの集客にも結び付いている。特に各クラブの集客注力試合においては、対象試合日前から、地域のテレビ各局と連携して多くの番組で試合を告知いただき、また、クラブとJリーグクラブサポート担当が連携し、当日の施策やイベントを企画するなど幅広く集客施策を実施した。テレビを中心とした事前の各メディアでの情報発信によって、過去にはない入場者数につながっている。例えば、J2の大分トリニータは、通常時の約3倍となる28,359人の入場者数を記録(明治安田J2リーグ第26節)、同じくJ2の藤枝MYFCはクラブ史上最多入場者数を1シーズンに3度更新し、2023年比136%の入場者数となった(最多は明治安田J2第32節vs.清水エスパルス:10,667人)。
各地域での各地元クラブのメディア露出量が増え、関心が高まることで、集客注力試合へ多くのファン・サポーターの皆さまに足を運んでいただくことにつながっている。
各クラブの取り組み事例
- 藤枝MYFC
-
リーグ 試合 対戦チーム スタジアム 明治安田J2リーグ 第24節(2024年7月13日) 愛媛FC 藤枝総合運動公園サッカー場 クラブ15周年マッチを集客注力試合に設定。雨天にもかかわらず、クラブ史上最多(7月13日時点)の9,640人に来場いただいた。通常の来場者数の約3倍となる。クラブが地域の全放送局を訪問した結果、試合日の約1週間前から前日にかけて10番組(以下記載)で注力試合の告知をしていただいた。
日付 番組 7/5 テレビ静岡(ただいま!テレビ) 7/6 SBS(みなスポ!) 7/7 テレビ静岡(おは・スポ!サンデー) 7/8 テレビ静岡(ただいま!テレビ) 7/8 SBS(LiVEしずおか) 7/9 K-MIX(MOVE ON!) 7/9 SBSラジオ(ヒデとキトーのフットーク) 7/10 静岡第一テレビ(everyしずおか) 7/12 静岡第一テレビ(everyしずおか) 7/12 静岡朝日テレビ(スポーツパラダイス)
- 大分トリニータ
-
リーグ 試合 対戦チーム スタジアム 明治安田J2リーグ 第26節(2024年8月11日) ロアッソ熊本 レゾナックドーム大分 真夏の一戦を「亀祭」と称し、集客注力試合と設定。J2在籍として最多入場者数となる28,359人を記録。通常時の約3倍の入場者数となった(招待施策無し)。また、この日初めてスタジアムに来場した人は全体の4分の1を占めた。
試合に向けて、クラブが地域の放送局と連携し、大分県内で通常時の約2.3倍となった計3時間35分間にわたる試合の告知などを番組内で紹介いただいた。
- FC大阪
-
リーグ 試合 対戦チーム 場所 明治安田J3リーグ 第15節(2024年6月2日) 奈良クラブ 東大阪市花園ラグビー場 奈良クラブとの生駒山ダービーを集客注力試合として事前告知を強化。通常時の約3倍となるクラブ史上最多の6,459人に来場いただいた。
事前の放送に加え、KICK OFF! KANSAIとしてスタジアムイベントを実施した。