SEASON REVIEW 2024

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MANAGEMENT

Jリーグの海外事業

Jリーグは1993年の開幕以来、Jリーグの理念である「国際社会における交流及び親善への貢献」に寄与すべく、特にアジアサッカー全体の発展を視野に入れて「Jリーグアジア戦略」を推進してきた。2024年は世界と戦うJリーグを目指し、東南アジアだけでなく、中東や欧州にも活動を広げた。海外リーグとのパートナーシップ協定締結、世界各国でのテレビ放送を中心としたJリーグの露出拡大を図るなどの活動を進めている。

Saudi Pro League(SPL)と戦略的パートナーシップ協定締結

2024年5月20日、サウジアラビアのプロフットボールリーグ Saudi Pro League(SPL)と戦略的パートナーシップ協定を締結。両リーグが緊密な連携を図り、東西アジアのトップランナーとしてアジアのフットボールをけん引する存在となることを目指していく。

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戦略的パートナーシップ協定内容と期間
<協定内容>
  • ・フットボール水準の向上を目的とした人材交流
  • ・両リーグの成長と発展を目的としたワークショップ、ビジネスカンファレンスの開催、育成などに関する情報共有
  • ・交流イベント、親善試合などを通じた国際交流

<協定期間>
2024年5月20日から2025年12月31日

Jリーグは、SPLの他にも、タイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、インドネシア、マレーシアの各国プロリーグとパートナーシップ協定を締結している。各国とのパートナーシップ協定は、相互のサッカーならびにリーグの発展に必要な情報の交換を図り、関係国の競技力向上や、アジアサッカーのレベルアップにつながるためのさまざまな取り組みを行うことを目的としている。

ベトナムプロリーグ関係者が来日 Jリーグを視察

2024年12月には、ベトナム・プロフェッショナル・フットボール(VPF)のチェアマン、VPF各クラブの代表41人が来日。Jリーグの他、浦和レッズ、川崎フロンターレ、ガンバ大阪の施設を訪問し、Jリーグ・Jクラブの経営や選手育成について意見を交わした。また一行は、AFCチャンピオンズリーグエリートや明治安田Jリーグ最終戦も観戦した。

Jリーグパートナーシップ協定国一覧

リーグ名称 締結年
タイリーグ 2012
ベトナムプロフェッショナルフットボール 2012
ミャンマーナショナルリーグ 2012
カンボジアナショナルリーグ 2013
シンガポールSリーグ 2013
インドネシアリーガ1 2014
マレーシアリーグ 2015
サウジプロリーグ 2024

※上記各国リーグの国籍を有する選手は、試合エントリー時において、外国籍選手ではないものとみなされますが、戦略的パートナーシップ協定対象国となるサウジアラビアの国籍を有する選手はこれに該当しません。

各Jクラブの海外事業・国際交流

Jリーグ全60クラブのうち、半数近くのクラブが、東南アジアを中心に各国との海外事業・国際交流事業を推進した。
2012年のアジア戦略開始後から長く東南アジアで活動を展開する北海道コンサドーレ札幌、川崎フロンターレ、セレッソ大阪は、引き続き当地との連携を深めた他、2024年は多くのJクラブが海外での活動を展開した。
特に、Jクラブによるタイ、ベトナム、インドネシアでの事業活動数は、クラブ海外事業全体の7割前後を占め、年々増加の傾向にある。Jリーグでプレーする選手の獲得に加え、各国のローカル企業や各国進出日系企業とのパートナー契約、現地クラブとの提携による選手や指導者交流、指導者育成サポート、現地スクール事業など、さまざまな領域で事業が加速した。

2024年に行った活動の一部事例は以下の通り。

FC町田ゼルビア:タイ

東南アジアに複数回渡航し、現地とのネットワークを拡げ、クラブアカデミー遠征大会でのスポンサーアクティベーションを行った。また、複数の日系・ローカル企業の協賛を得て、10月にタイ、12月にはベトナムで独自のサッカークリニックを実施した。

写真提供:FC町田ゼルビア

写真提供:FC町田ゼルビア

ヴァンフォーレ甲府:インドネシア

インドネシアの大手企業がメインのパートナー企業となり、ジャカルタ、バンドンに加え、パートナー企業の拠点でありインドネシアの首都移転予定先にも近いバリクパパンでのサッカークリニックを開催した。また同時に、インドネシアに進出する多くの日系企業の協賛協力も得て、日本、山梨県とインドネシアの交流を促進するイベントとなった。

写真提供:ヴァンフォーレ甲府

写真提供:ヴァンフォーレ甲府

アビスパ福岡:タイ

タイ、マレーシア、香港等において、アジア各国から近い距離にある福岡の特性を生かし、各国からのキャンプ誘致活動や、クラブ間交流、コーチングクリニック等の活動を実施した。また、11月にはタイでパートナーシップを提携するポートFCと合同でBangkok U-13 ドリームカップを開催。MVPの選手と指導者数名をアビスパ福岡に招待する施策で、12月には選手たちが来日。アビスパ福岡アカデミーの練習に参加した。

写真提供:アビスパ福岡

写真提供:アビスパ福岡

タイライフ Jリーグアジアチャレンジ2023/24 powered by 明治安田

2024年2月2日に「タイライフ Jリーグアジアチャレンジ2023/24 powered by 明治安田」BGパトゥム・ユナイテッド vs. セレッソ大阪をタイのBGスタジアムで開催。2023年12月に行った同大会の第2戦となり、タイでのアジアチャレンジはこれで4回目となる。入場者数は9,028人を記録し、多くのタイ人ファンで盛り上がった。
また、スタジアムでの観戦者の他、タイ国内でも地上波、YouTube配信等で放送配信された。

対日理解促進交流プログラム「JENESYS」に協力~東南アジア11ヵ国から110人の高校生が来日~

Jリーグは、サッカーを通じて日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国間のユース年代の交流促進を図る一環として、外務省が推進する対日理解促進交流プログラム「JENESYS」に協力した。

本プログラムでは、10月28日~11月4日、スポーツを通じたSDGsへの貢献や社会課題解決に関心を持つASEAN諸国および東ティモールの高校生など110人が来日。Jリーグおよび、いわきFC、ジェフユナイテッド千葉、川崎フロンターレ、横浜F・マリノス、湘南ベルマーレの協力の下、JリーグとJクラブが推進するSDGsや社会貢献活動に関する視察‧交流機会を提供した。

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海外放映

2024年は、前年に引き続きアジアを中心に世界約20カ国で、各地域の放送局による放映を実施した。前年からはインドネシア(PSJ TV)と、香港(myTV SUPER)が新たに加わり、特に香港では2022年以来、2年ぶりの現地放映局による放映となった。香港は他国に比べて多くのJリーグのファン・サポーターがおり、10月にはmyTV SUPERの視聴者を対象にしたキャンペーンを実施。当選したファンはFC東京の試合に招待され、選手・監督を間近で見るなどの特別な体験をするなど、放映以外の取り組みも新たに行った。
その他の地域においては、明治安田J1リーグ各節2試合を国際版の公式YouTubeチャンネルで配信し、引き続き全世界でJリーグが視聴できる環境を継続した。

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