Ｊリーグが取り組む気候変動問題へのアクション

豪雨や台風などを理由に中止となった試合数が2018年を境に約5倍（2024年12月時点）になるなど、近年Ｊリーグが目指す「安心安全な運営」、「安心してお客さまをお迎えした試合の開催」というフットボールそのものにも危機感を持たざるを得ない環境となってきた。またＪクラブが拠点を構えるホームタウンでも、気候変動の影響はかつてないほどに顕在化するとともに、常態化している。スポーツをする環境、土台そのものが脅かされている今、「サッカー選手になりたい！ 屋外でスポーツを楽しみたい！」という子どもたちの夢や日常を守るため、2023年から「Ｊリーグ気候アクション」を開始した。

Ｊリーグでは、全60クラブが地域密着で実施するホームタウン活動を行ってきた。各地域と共に発展してきたＪリーグやＪクラブがハブとなり、ファン・サポーターの皆さま、自治体や地元企業と連携し、スポーツを楽しめる日常を守っていくための取り組みを行っている。

2024年の取り組み

ロードマップの策定

Ｊリーグが5年後、10年後に目指す姿を落とし込んだロードマップを2024年に策定した。社会の一員であるＪリーグ・Ｊクラブが気候変動問題に関するアクションを発信することで、意識が変わる。意識が変わればおのずと行動が変わり、結果として2030年には、さまざまなステークホルダーと共に、便利で環境に優しい持続的な社会システムが実現することを目指している。この1年は、Ｊリーグがなぜ気候アクションに取り組むのか、サッカーと気候変動に何が関係するのかを知ること・発信することに注力してきた。

Ｊリーグ×気候変動問題をテーマにしたYouTube動画「サッカーができなくなる日？！」公開

世界の現状、Ｊリーグが気候アクションに取り組む必要性を分かりやすく知っていただくため、内田 篤人特任理事、中村 憲剛特任理事、小野 伸二特任理事が出演する動画を公開。

内田 篤人特任理事コメント

環境の問題については、早めに気付き行動に移していくことが、いかに大事かというのを改めて感じました。未来の地球に暮らす子どもたちのために、より多くの人に現状を知ってもらい、活動の輪が広がっていけばよいなと思ってます。

小野 伸二特任理事コメント

これから起こりえる未来を知り、末恐ろしいと思うと同時に、我々がどう生きていくかということより、今のこどもたちが生きる未来を良い環境に変えたいと思いました。我々がこどもの頃は、今ほど暑くない中、外で遊ぶこともできました。そのような環境をこどもたちのために取り戻したいということは、今回動画に出演してすごく感じたことです。

中村 憲剛特任理事コメント

反響も大きく、たくさんの人に「見たよ」という声ももらいました。関心を持ってもらえたのは大きな一歩。「自分だけはいいや」という姿勢ではなく「自分から始める」、というマインドになってもらえたらと思っています。Ｊリーグがやることに大きな意味があると思うので、来年以降もアクションを続けていきたいです。

イングランド・プレミアリーグのトッテナム　ホットスパーから最先端のサステナビリティ経営について学ぶ、サステナビリティカンファレンスの開催

2024年7月、「明治安田Ｊリーグワールドチャレンジ２０２４ powered by docomo」でヴィッセル神戸と対戦するために来日したトッテナム　ホットスパーの関係者を招き、Ｊリーグと日本財団HEROsプロジェクト共催でサステナビリティカンファレンスを開催した。
さまざまなサッカーのリーグ環境面でのサステナビリティを評価する「Sport Positive Leagues」のランキングで、4年連続してプレミアリーグ1位を獲得するなど、サステナビリティ面で最も優れたクラブとしてイングランドで認識されているトッテナムからスポーツ界のサステナビリティ経営を学ぶ目的で開催した本カンファレンスには、企業、スポーツ団体関係者を中心に約200人が参加した。

サステナビリティカンファレンスリポート記事はこちら

Ｊリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアー for a Sustainable Future supported by 明治安田

2024年から開始した「Ｊリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアー for a Sustainable Future supported by 明治安田」では、小野伸二特任理事によるサッカー教室の後、参加した小学生に向けたサステナビリティ教室を開催。昨今の地球温暖化の現象と共に、気候アクションの重要性を伝えている。

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