Jリーグは、「地域に根差したスポーツクラブ」を核として、だれもが生涯を通じてスポーツを楽しめる環境をつくり、Jリーグの理念の一つである「豊かなスポーツ文化の醸成」を具現化することを目指しています。
Jリーグは、その理念に賛同し、会員となったクラブ(Jクラブ)によって成り立っており、その数は、1993年(Jリーグ開幕当初)の10クラブから、現在は60クラブに拡大し、47都道府県中、41都道府県に広がっています。
Jクラブの原点は、ドイツにあります。
1960年、東京オリンピックを4年後に控えたサッカーの日本代表チームは、西ドイツ(当時)のデュイスブルクにあるスポーツシューレ(シューレは「学校」の意)で、強化合宿を行いました。その施設で選手たちが目にしたのは、当時の日本のスポーツ環境とはおよそかけ離れた光景でした。白樺の林に囲まれた緑のピッチの上では、同じ施設に合宿中の子どもたちが元気にボールを追い、アリーナでは車椅子の人々が球技に興じる。それは驚きを通り越し、衝撃ともいえる体験でした。
スポーツシューレだけでなく、ドイツではどんな町にもスポーツクラブがあります。そこでは、老若男女がそれぞれのレベルに応じて好きなスポーツを楽しみ、地域における人々の交流の拠点となっています。トップクラスの選手の強化・育成だけでなく、一般の人々へ広くスポーツの機会を提供しようとする試みは国の重要施策の一つとして、民間スポーツ組織がリーダーシップを取り、政府や地方公共団体の財政的援助を得て行われてきました。
それから約50年の時を経て、ドイツなど欧州のスポーツ環境は、大きく変わっているものの、クラブは伝統を誇りとし、地域との結びつきを大切にしながら、時代とともに変化、進歩する周囲の状況に適応し、常に新しいものにチャレンジしています。
Jリーグも、原点の感動を心に留めながら、スタッフや関係者を積極的に視察へ派遣し、先進地域のクラブから学ぶなど、発展に役立てようとしています。そして、わが国における豊かなスポーツライフの創造に向けた努力は、全国各地で少しずつ実を結んでいます。
Jリーグでは、Jクラブの本拠地を「ホームタウン」と呼び、本拠地占有権、興行権などの意味合いが深い「フランチャイズ」と区別しています。Jクラブは、ホームタウンが「Jクラブと地域社会が一体となって実現する、スポーツが生活の中に溶け込み、人々が心身の健康と生活の楽しみを享受できることができる町」となるよう、活動を展開しています。
Jリーグが目指す「地域に根ざしたスポーツクラブ」とは、ホームタウンの市民・行政・企業が三位一体となった支援体制を持ち、その町に不可欠の存在として発展するクラブを表します。Jリーグは、Jクラブが地域に根ざしながら、ホームタウンのシンボルとして存在するところに、スポーツエンターテインメント以上の価値があると考えています。
Jリーグはチームの呼称を「地域名+愛称」としています。チーム名の呼称を「地域名+愛称」とすることで、Jクラブはホームタウンの市民・行政・企業の理解と協力を得ることが可能となり、経済的に自立することができます。Jクラブが経済的に自立してはじめて、地域に根ざしたスポーツクラブとしてスポーツ文化の醸成に貢献できると考えています。これは、Jリーグが出来る前には、日本のスポーツの世界には無い概念だったと言えます。
Jクラブは、プロサッカーチームだけでなく、18歳以下選手を育成する組織(Jリーグアカデミー)を持ち、日本サッカーの重要な育成基盤にもなっています。また、スポーツ指導や大会の開催・運営、各種スポーツチームの保有などを通じて、ホームタウンのスポーツ振興を担っています。
近年では、ホームスタジアムやクラブハウスが、こうした活動の拠点として、地域の人々のコミュニケーションの場として、また地域のシンボルとしての役割を果たしています。
J1 | J2 | J3 |
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北海道コンサドーレ札幌 | ベガルタ仙台 | ヴァンラーレ八戸 |
鹿島アントラーズ | ブラウブリッツ秋田 | いわてグルージャ盛岡 |
浦和レッズ | モンテディオ山形 | 福島ユナイテッドFC |
柏レイソル | いわきFC | 大宮アルディージャ |
FC東京 | 水戸ホーリーホック | Y.S.C.C.横浜 |
東京ヴェルディ(J1昇格) | 栃木SC | SC相模原 |
FC町田ゼルビア(J1昇格) | ザスパ群馬 | 松本山雅FC |
川崎フロンターレ | ジェフユナイテッド千葉 | AC長野パルセイロ |
横浜F・マリノス | 横浜FC | カターレ富山 |
湘南ベルマーレ | ヴァンフォーレ甲府 | ツエーゲン金沢 |
アルビレックス新潟 | 清水エスパルス | アスルクラロ沼津 |
ジュビロ磐田 | 藤枝MYFC | FC岐阜 |
名古屋グランパス | ファジアーノ岡山 | FC大阪 |
京都サンガF.C. | レノファ山口FC | 奈良クラブ |
ガンバ大阪 | 徳島ヴォルティス | ガイナーレ鳥取 |
セレッソ大阪 | 愛媛FC(J2昇格) | カマタマーレ讃岐 |
ヴィッセル神戸 | V・ファーレン長崎 | FC今治 |
サンフレッチェ広島 | ロアッソ熊本 | ギラヴァンツ北九州 |
アビスパ福岡 | 大分トリニータ | テゲバジャーロ宮崎 |
サガン鳥栖 | 鹿児島ユナイテッドFC(J2昇格) | FC琉球 |