Jリーグは、1993年の開幕以来、Jリーグの理念である「国際社会における交流及び親善への貢献」に寄与すべく、特にアジアサッカー全体の発展を視野に入れ、活動してきました。
アジアにプロサッカーの大きな市場が生まれ、その中心にJリーグが位置することで、競技面、ビジネス面の両方において、日本が欧州とは異なるスタイルのサッカー大国となりうると考えています。
2012年にはJリーグアジア戦略室を設置(現・海外事業部)。
「アジアと共に成長する」をビジョンに「Jリーグアジア戦略」を推進してきました。
このために、世界各国でのテレビ放送を中心としたJリーグの露出拡大、Jリーグがこれまで培ってきたノウハウをアジア諸国と共有することや、現地でのサッカークリニック、指導者講習やイベントなどの実施、ASEAN(東アジア諸国連合)のリーグとのパートナーシップ協定締結など、様々な施策を進めています。
また、Jリーグはスポーツの分野から世界に輸出できる日本の産業として、Jリーグを「ジャパンブランド」の一つと位置付けることを提案し、経済産業省が取り組む「クール・ジャパン戦略」、総務省、外務省、国際交流基金、JICA(独立行政法人国際協力機構)、ASEAN日本政府代表部等と連携しながら、新たなビジネス機会の創出や、日本経済の発展に寄与することを目指しています。
「アジアから世界へ」
Jリーグ開幕から30年がたち、アジアにおける日本サッカーの立ち位置は飛躍的に向上しました。2023年には浦和レッズがAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で3度目の優勝を成し遂げ、また昨今の日本代表の躍進、欧州トップリーグでの日本人選手の更なる活躍など、特にフットボールの面では世界のトップレベルでも評価されつつあります。
Jリーグでは、事業面においてもさらなる成長戦略を描きながら、世界におけるJリーグの市場価値を高め、アジア以外も含めた事業拡大に挑戦しています。
Jリーグは、次の10年の目標として「世界基準のフットボールの実現」「全国の地域密着の深化」を掲げています。その両輪の実現のために、事業面においてもさらなる成長戦略を描きながら、世界におけるJリーグの市場価値を高め、アジア以外も含めた事業拡大に挑戦しています。
2024年12月には、「J.LEAGUE Europe」 を設立。欧州に拠点を設け、、Jリーグのグローバル展開を加速していきます(プレスリリース)
国・地域 | 放送局・プラットフォーム |
---|---|
中国 | K-BALL |
香港 | TVB、myTV SUPER |
マカオ | TDM |
オーストラリア | Optus Sport |
ベトナム | HTV Sport |
タイ | SIAMSPORT YouTube channel、BG SPORTS YouTube channel |
インドネシア | PSJ TV |
バングラデシュ、ブータン、インド、モルディブ、 ネパール、パキスタン、スリランカ、アフガニスタン |
Fancode |
ドイツ、スイス、オーストリア | Sportdigital |
ナイジェリア、ガーナ、南アフリカ | Sporty TV |
全世界 (日本、放映権販売地域等を除く) |
J.LEAGUE International (YouTubeチャンネル) |
全世界 (日本を除くニュース権) |
SNTV |
国・地域 | 放送局・プラットフォーム | 対象大会 |
---|---|---|
中国 | K-BALL | FUJIFILM SUPER CUP 明治安田J2リーグ JリーグYBCルヴァンカップ |
香港 | myTV SUPER | FUJIFILM SUPER CUP JリーグYBCルヴァンカップ ※プライムラウンド |
オーストラリア | Optus Sport | FUJIFILM SUPER CUP |
ベトナム | HTV Sports | FUJIFILM SUPER CUP |
タイ | BG SPORTS YouTube channel | FUJIFILM SUPER CUP 明治安田J3リーグ J2昇格プレーオフ |
全世界 (日本、放映権販売地域等を除く) |
J.LEAGUE International (YouTubeチャンネル) |
FUJIFILM SUPER CUP |
氏名 | 所属年 | 国籍 | 生年月日 | 所属クラブ |
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![]() レ コン ビン |
2013 | ベトナム | 1985/12/10 | 札幌 |
![]() イルファン |
2014〜2016 | インドネシア | 1988/8/11 | 甲府・札幌 |
![]() ワンザック |
2014 | マレーシア | 1991/1/28 | 琉球 |
![]() ステファノ |
2014 | インドネシア | 1990/1/10 | 札幌 |
![]() タム シイアンツン |
2014〜2016 | マレーシア | 1995/5/24 | 福岡・富山・鳥取 |
![]() グエン トュアン アイン |
2016 | ベトナム | 1995/5/16 | 横浜FC |
![]() グエン コンフォン |
2016、2023〜 | ベトナム | 1995/1/21 | 水戸・横浜FC |
![]() チャン ワタナカ |
2017 | カンボジア | 1994/1/23 | 藤枝 |
![]() シティチョーク パソ |
2017 | タイ | 1999/1/28 | 鹿児島・琉球 |
![]() チャナティップ |
2017 | タイ | 1993/10/5 | 札幌・川崎F |
![]() ジャキット |
2017〜2018 | タイ | 1997/1/26 | FC東京 |
![]() チャウワット |
2018、2002 | タイ | 1996/6/23 | C大阪・C大阪 |
![]() ティーラシン デーンダー |
2018~2020 | タイ | 1988/6/6 | 広島・清水 |
![]() ティーラトン |
2018~2021 | タイ | 1990/2/6 | 神戸・横浜FM |
![]() アンダース アプリン |
2018 | シンガポール | 1991/6/21 | 松本 |
![]() チャキット |
2019 | タイ | 1994/12/2 | 徳島 |
![]() ハディ ファイヤッド |
2019~2022 | マレーシア | 2000/1/22 | 岡山・沼津 |
![]() ナッタウット |
2019 | タイ | 1997/11/6 | FC東京 |
![]() ティティパン |
2019 | タイ | 1993/9/1 | 大分 |
![]() ポンラヴィチュ |
2019 | タイ | 2000/10/7 | C大阪 |
![]() タワン |
2019~2020 | タイ | 2000/1/23 | C大阪 |
![]() カウィン |
2020 | タイ | 1990/1/26 | 札幌 |
![]() チャヤトーン |
2020 | タイ | 2000/3/12 | FC東京 |
![]() カウンゼン マラ |
2020 | ミャンマー | 2002/11/11 | 東京V |
![]() ビスマルク |
2021~2022 | フィリピン | 2002/7/5 | 岩手 |
![]() ダン バン ラム |
2021~2022 | ベトナム | 1993/8/13 | C大阪 |
![]() ブイ ゴック ロン |
2022 | ベトナム | 2001/10/6 | 沼津 |
![]() アルハン |
2022~2023 | インドネシア | 2001/12/21 | 東京V |
![]() ファム バン ルアン |
2022 | ベトナム | 1999/5/26 | 琉球 |
![]() ブー ホン クアン |
2022 | ベトナム | 1999/10/3 | 琉球 |
![]() グエン バン ソン |
2022 | ベトナム | 2001/2/25 | 沼津 |
![]() グエン ゴック ハウ |
2022 | ベトナム | 2001/6/7 | 沼津 |
![]() スパチョーク |
2022~ | タイ | 1998/5/22 | 札幌 |
![]() エカニット パンヤ |
2023~ | タイ | 1999/10/21 | 浦和 |
![]() パトリック グスタフソン |
2024~ | タイ | 2001/4/19 | 奈良 |
![]() キアッドティフォーンウドム |
2024~ | タイ | 2000/6/26 | 奈良 |
![]() ルクマン ハキム |
2024~ | マレーシア | 2002/03/05 | YS横浜 |
![]() ジャスティン ハブナー |
2024 | インドネシア | 2003/9/14 | C大阪 |
![]() サーラット ユーイェン |
2024~ | タイ | 1992/5/30 | 山口 |
![]() ムハンマド カリル |
2024~ | マレーシア | 2005/4/11 | FC大阪 |
世界基準のフットボールの実現を目指し、Jリーグは、アジアや欧州クラブとの国際試合も積極的に開催しています。。2017年からは、タイ、インドネシアなどでJクラブ対各国人気クラブとの親善試合「Jリーグアジアチャレンジ」を開催。2022年、2023年には、コロナ禍による中断を経て、2022Jリーグアジアチャレンジinタイ、タイライフ Jリーグアジアチャレンジ2023/24 powered by 明治安田を開催しました。
また、2024年には、Jクラブが海外クラブと対戦するJリーグインターナショナルシリーズとしてとして「明治安田Jリーグワールドチャレンジpowered by docomo」「Jリーグインターナショナルシリーズ2024 powered by docomo」「Jリーグインターナショナルシリーズ2024 アカデミーマッチ」を開催。欧州トップリーグのクラブとのマッチメイクが実現し、また子どもたちに対しては、日本にいながら世界レベルのサッカーを体験できる貴重な機会を生み出すことができました。
Jリーグの各クラブも、世界各国へのトップチームやアカデミーチームの遠征やキャンプ、欧州トップリーグのクラブとの交流試合開催、ASEAN出身選手のJリーグクラブへの練習参加、また、現地でのサッカー教室やビジネス講習会の開催など、積極的にグローバル事業の展開、国際試合の機会創出や国際交流を図っています。遠征先の国では、アカデミーの選手が現地の学校や養護施設を訪問するなど、試合のみならず、貴重な国際経験の場にもなっています。
また、試合のみならず世界各国との国際交流も積極的に推進しています。
2024年10月11月には、サッカーを通じて日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国間のユース年代の交流促進を図る一環として、外務省が推進する対日理解促進交流プログラム「JENESYS」に協力しました。本イベントでは、スポーツを通じたSDGsへの貢献や社会課題解決に関心を持つASEAN諸国および東ティモールの高校生など110人が来日し、JリーグとJクラブが推進するSDGsや社会貢献活動に関する視察‧交流機会を提供しました。
Jリーグは、2012年に、タイプレミアリーグ(2月)とのパートナーシップ協定を締結し、以降、アジア各国との提携を強化しています。
2024年現在、タイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、インドネシア、マレーシアとパートナーシップ協定を締結しており、また2024年5月には、サウジアラビアのプロフットボールリーグ Saudi Pro League(SPL)と戦略的パートナーシップ協定を締結しました。
Jリーグとアジア諸国リーグとのパートナーシップ協定は、相互のサッカーならびにリーグの発展に必要な情報の交換を図り、関係国の競技力向上や、アジアサッカーのレベルアップにつながるためのさまざまな取り組みを行うことを目的としています。
リーグ名称 | 締結年 |
---|---|
タイ・リーグ | 2012 |
ベトナム・プロフェッショナル・フットボール | 2012 |
ミャンマー・ナショナル・リーグ | 2012 |
カンボジア・ナショナル・リーグ | 2013 |
シンガポール Sリーグ | 2013 |
インドネシア・リーガ1 | 2014 |
マレーシア・リーグ | 2015 |
サウジプロリーグ | 2024 |
現在、市場規模においては、イングランド、スペイン、ドイツをはじめとする欧州諸国、そして競技面においては欧州に加え、ブラジル、アルゼンチンなどの南米の国々が世界のサッカーのトップに君臨しています。
日本も、Jリーグスタートから30年がたち、多くの選手たちがJリーグを経て、欧州のリーグで活躍するようになり、それに伴い日本サッカーのレベルも飛躍的に向上しています。FIFAワールドカップなど、国際舞台での日本代表の躍進は目覚ましいものがありますが、今後、日本サッカーが市場規模においても、競技面においても真に世界のトップに追いつくためには、アジア全体のサッカーレベルの向上が必須であると考えています。
Jリーグの選手が欧州リーグに挑戦し、日本サッカーのレベルが向上するのと同様に、Jリーグアジア戦略では以下のポイントで、特にASEAN各国の選手がJリーグを目指し活躍できるよう、様々な制度設計を始めとする施策を実施してきました。
例えば、2009シーズンから各チームの外国籍選手の登録数を拡大し、従来の3名の外国籍選手枠に加え、アジアサッカー連盟加盟諸国の選手1名を登録可能とする「アジア枠」を設けました。2019シーズンからは外国籍選手の登録制限は上限が無くなり、「アジア枠」は撤廃、外国籍選手の試合エントリーは上限J1・5人J2/J3・4人と改定されましたが、これに追加して、主にASEAN諸国の選手は外国籍としてカウントしないという「Jリーグ提携国枠」制度を新たに設けました。
これにより、JクラブがASEAN出身の選手をより獲得しやすくなり、2022年には、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシアなどから過去最高12名のASEAN出身選手がJリーグに登録しました。
ASEAN出身 登録数推移(提携国・提携国以外含む)単位:人 | |||
---|---|---|---|
2013 | 1 | 2014 | 4 |
2015 | 2 | 2016 | 4 |
2017 | 4 | 2018 | 7 |
2019 | 10 | 2020 | 9 |
2021 | 6 | 2022 | 12 |
2023 | 5 | 2024 | 8 |
延べ 72人 |
日付 | レポート |
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2023.02.09 | 【特集】Jリーグアジア戦略10年~北海道コンサドーレ札幌編(後) |
2023.02.07 | 【【特集】Jリーグアジア戦略10年~北海道コンサドーレ札幌編(前) |
2022.10.10 | 【Jリーグアジア戦略10年~川崎フロンターレ編(後) |
2022.10.03 | 【Jリーグアジア戦略10年~川崎フロンターレ編(前) |
2022.09.28 | 【Jリーグはアジアと日本に何をもたらしたのか、担当者と共に振り返るアジア戦略10年の歩み(後編) |
2022.09.20 | 【Jリーグはアジアと日本に何をもたらしたのか、担当者と共に振り返るアジア戦略10年の歩み(前編) |
2022.08.29 | 【Jリーグアジア戦略10年~指導者編(後) |
2022.08.25 | 【Jリーグアジア戦略10年~指導者編(前) |
2022.08.08 | 【Jリーグアジア戦略10年~セレッソ大阪編(後) |
2022.08.01 | 【Jリーグアジア戦略10年~セレッソ大阪編(前) |
2022.07.18 | 【Jリーグアジア戦略10年~野々村チェアマン編(後) |
2022.07.11 | 【Jリーグアジア戦略10年~野々村チェアマン編(前) |