Jリーグは、Jクラブとともに、『試合実施時におけるセキュリティは、究極の観客サービスである』というスローガンのもと、次の安全理念を掲げ、世界に誇れる安全で快適なスタジアム環境を確立できるよう努めています。
また、各クラブの運営担当や警備会社等の有識者によって研究会を定期的に実施し、安全で快適なスタジアム環境の構築を図っています。
Jリーグは、安全で快適なスタジアムづくりを目指して、ピッチ上の選手たちだけではなく、来場者に対しても、試合の雰囲気を盛り上げるような、フェアな応援をお願いしたいと考えています。
そのためにJリーグでは、すべての試合で全クラブ共通のルールとマナーを設け、スタジアムを訪れたファン・サポーター全員が、気持ちよく楽しい時間を過ごせるように、理解と協力を呼びかけています。
JリーグならびにJクラブでは、安全で快適なスタジアムでの試合観戦を提供するため、試合運営管理規程に沿って試合運営をおこなっております。観戦にあたっては、フェアプレー精神に則った応援をお願いするとともに、試合運営管理規程を遵守くださいますようお願いいたします。来場者には、管理規程を守っていただくよう呼びかけ、禁止行為やセキュリティ上問題となる行為が行われた場合には、退場や入場禁止の処分に従っていただく場合もあります。なお、当該行為が試合運営管理規程に抵触するか否かについては、Jリーグまたは各クラブが最終的に判断させていただきます。
この規程は、公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(以下Jリーグという)が自ら主管する全ての試合(公益財団法人日本サッカー協会(以下協会という)が主催する全ての試合を含む)の円滑で安全な運営を確保し、且つ、サッカー観戦者、選手、審判、チームスタッフおよび関係者の安全を確保することを目的とする。
以下の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1)主管試合 | 主管者が主管する全ての試合をいう。 |
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(2)施設等 | 主管試合が行われるスタジアムその他の施設をいい、スタジアムの内外を問わず、主管者の管理権が及ぶ範囲全てをいう。 |
(3)観客等 | 施設等に存在する全ての者をいう。 |
(4)運営責任者 | 主管試合の運営の責任を負う主管者の責任者をいう(Jリーグにおいてはフットボール本部・本部長、Jクラブおいては実行委員がこれにあたる)。 |
(5)運営担当等 | 運営責任者の任命を受け、主管試合における安全確保のため業務に従事する運営担当及びセキュリティ担当をいう。 |
(6)警備従事員 | 主管試合における安全確保のため、主管者が任命した者をいう。 |
観客等は、主催者または主管者が特に必要と認めた場合を除き、以下の各号に掲げる物を施設等に持ち込むことはできない。
観客等は、主催者または主管者が特に必要と認めた場合を除き、施設等において以下の各号に掲げる行為をしてはならない。
観客等は次の各号に定める事項を遵守しなければならない。
主管者は、以下の各号に該当する者に対し、次条に基づき入場を拒否することができる。
スタジアム内(コンコースを含む)で試合中継等での使用を目的として撮影された映像(対象として来場者個人の肖像や横断幕、フラッグ、チャント等の製作物等を含む)の全部またはその一部(静止画を含む)は、試合中継等での使用以外に以下の用途で使用される場合がありますので、予めご了承ください。
2012年、Jリーグは、全52クラブ(当時)、Jリーグ担当審判員、一般社団法人日本プロサッカー選手会と合同で、暴力団等排除宣言を実施しました。
この宣言によって私たちは、誰もが安全にスポーツの観戦やプレーを楽しめる環境をいつまでも守り育むことを目指しております。
近年でも海外ではサッカーの八百長事件が発生しておりますが、その背景にはオンライン・スポーツ賭博の普及と、国際的な犯罪組織の存在が挙げられます。スポーツ・インテグリティ(スポーツの健全性)を脅かす不正からJリーグを守るため、私たちサッカー界が、暴力団など反社会的勢力との関係を遮断し続けることが必要です。
Jリーグでは、毎年実施している新加入選手を対象とした新人研修やeラーニング形式によるコンプライアンス研修などを通して、反社会的勢力との関わりによるリスクをリーグ全体で共有しております。
選手、審判員、スタッフ、さらに観客席から暴力団などの反社会的勢力を遮断・排除するこの宣言をもとに、ファン・サポーターの皆さんに、これまで同様安心・安全なスタジアム、選手たちのフェアな全力プレーを楽しんでいただける環境を整備しております。
また、サッカーの普及活動、地域のスポーツ振興活動、数多くの学校訪問活動等を通じて、ホームタウンの皆さんと触れ合う選手、スタッフは、子どもたちの憧れとして、また地域のシンボルとして親しまれています。彼らを暴力団など反社会的勢力から遮断することで、コミュニティーの安心とスポーツの価値を守り続けてまいります。
サッカーだけでなく、スポーツは決められたルールの中で勝敗や技術を競うことで、心身の健全な発達への寄与、観る人に純粋な感動を呼び起こし、観る楽しさを提供するといった価値を生み出しています。
スポーツをする人がトレーニングや練習、鍛錬といった努力を超えて、薬物などで協議能力を高め、他者より意図的に優に立ち、勝利を得ようとする行為は、スポーツがスポーツとして成立するゆえんである「ルールの中で勝敗や競技を競う」ことを逸脱する行為となります。こうした行為を「ドーピング」と予備、意図的であるかどうかに関わらず、ドーピングを行うことはスポーツに対する裏切り行為として、厳しく禁止されています。
Jリーグは、日本のスポーツの頂点に立つプロスポーツとして常にフェアであり続けるため、また「豊かなスポーツ文化の振興及び国民の心身の健全な発達への寄与」という理念を掲げてスポーツの振興やスポーツを通じた社会連携活動に取り組むものとして、ドーピング行為に反対する「アンチ・ドーピング」を推進し、Jリーグでプレーする選手たちへの指導と、「アンチ・ドーピング」の啓発活動に取り組んでいます。
スポーツ選手が、勝利や記録の達成を目指すために何をするでしょうか。
きっと、毎日努力してトレーニングをしたり、日頃から体のケアに気をつけることでしょう。
でも、もっと簡単に、そして自分で努力すること以外に、スポーツ選手として優れた体を手に入れることができるとしたら・・・。
例えば、特殊な薬を飲んだり、注射を打つことで速く走れたり、長い時間良いプレーをすることができるようになるかもしれません。
そのような、自分が本来持っている能力以外の不正な手段に頼ること、そして、それを隠すことが「ドーピング」になります。
薬を飲んだりする以外にも、けがや病気の治療の仕方がドーピングになることもあります。
Jリーグをはじめ、FIFAワールドカップ、オリンピックなど、さまざまなスポーツ大会では、選手がドーピングをしないように、またドーピングをしている選手を見つけるために、「ドーピング検査」を実施しています。
検査でドーピングであることを隠すこともドーピングになるのです。
ルールを尊重すること、仲間を大切にすること、強くなろう、うまくなろうと、限りない努力をすること。
スポーツには人々の心を動かす、大きな力があります。
それなのに、もし、不正な力を使ってスポーツをしていたらどうなるでしょう。
ドーピングは、スポーツの価値を下げ、スポーツが持つ大切な力を損なうものなのです。
使ってはいけない薬を使うと、副作用や後遺症で体調を崩したり、命に関わる危険性もあります。
選手の健康を守るためにも、ドーピングは絶対にしてはいけないことです。
サッカーに限らず、スポーツはルールに基づいて、自分の能力を尽くして勝敗を競うもの。
だからこそ、見る者を感動させ、夢を与えるのです。
ドーピングをすることは、フェアプレーの精神に反し、スポーツの存在価値を否定するアンフェアな行為です。
社会の中にも、薬を悪用したり、麻薬などによる薬物汚染などの問題があります。
サッカー選手は、子どもたちや青少年の憧れの存在。
そのような選手が、薬物に頼っていたら、社会にどのような影響があるでしょう。
そうした問題をなくすためにも、サッカー選手は自ら薬物問題に立ち向かい、より良い社会をつくるための模範にならなくてはいけないのです。
主なドーピング違反は「使ってはいけない薬」を使うことです。
筋肉の力をアップさせる薬、疲れにくい体にする薬、集中力を高める薬など、「使ってはいけない薬のリスト」が「世界アンチ・ドーピング機構(WADA)」によって決められています。
使ってはいけない薬は、薬局で売っている薬や、病院などで処方される薬の中にもあります。
また、飲み薬だけでなく、塗り薬や目薬にも使ってはいけない成分が含まれている可能性があります。
ドーピングをするつもりがなくても、風邪やけがの治療で使ってはいけない薬を使ってしまう可能性があります。
使ってはいけない薬の成分は、ビタミン剤やドリンク剤などのサプリメントに入っていることもあります。
「薬じゃないから大丈夫」と思って栄養補給のつもりでサプリメントを飲んだ後に、ドーピング検査で使ってはいけない薬の成分が見つかる場合もあります。
ちょっと風邪気味だから、疲れがたまっているからと、安易に薬やサプリメントを服用すると、ドーピングになることがあります。
自分ではドーピングをしないように気を付けているつもりでも、いつの間にか使ってはいけない薬を飲んでいることも・・・。
そして、あなたがドーピングをしたことにするために、誰かがこっそり薬を混ぜていたら・・・。
普段から口にするものにもドーピングにならないよう、十分に気を付ける必要があります。
治療に使った薬や、友だちからもらったサプリメントが原因でドーピングをしたことになってしまったとしても、それは薬やサプリメントを飲んだあなたの責任。
あなたが受けたけがや病気の治療がドーピングと判断されても、それは、その治療を受けたあなたの責任。
もし、あなたが違反をしたという結果が出た場合、処分の対象になるのは、紛れもなくあなた自身です。
「知らなかったから」では済まされないのです。
WADAの「禁止表」には、たくさんの「使ってはいけない薬」や「してはいけない行為」が載っています。 けがや病気になったら、必ずチームドクター、または専門的な知識を持ったドクターに相談して、ドーピングにならないような治療をしてもらいましょう。 薬を飲む時も、それが「使ってはいけない薬」ではないか、必ずチームドクターや専門家に確認しましょう。
そのような時は、治療目的に使う許可を得るために「TUE(治療目的使用にかかる除外措置)申請」をして、承認を得る必要があります。
けがや病気の治療をする時は、薬や治療方法だけでなく、TUE申請についても、ドクターと相談しましょう。
アンチ・ドーピングの知識を身に付けることは、優れた選手であることと同じくらい、一流の選手として必要なことです。
どんなにサッカーがうまくて、どんなに試合で良いパフォーマンスをしても、それだけではプロのサッカー選手とはいえません。
ここで紹介したことは、アンチ・ドーピングに関する知識のほんの一部です。
一流の選手であるために、日頃から知識を身に付けて、ドーピングをしないために、細心の注意を払い、努力する必要があります。
プロのサッカー選手は、チームを応援するファン・サポーターに夢や感動を与える存在であり、子どもたちの憧れの存在です。
そうあるために、そして何より、社会の一員として行動するためにも、身に付けなくてはいけない知識があります。
ドーピングについての知識を身に付け、日頃から優れた選手になるための努力をすることは、一流の選手になるための第一歩です。
「インテグリティ(Integrity)」とは、下記を意味する言葉です。
スポーツにおける「インテグリティ」とは、「スポーツが様々な脅威により欠けることなく、価値ある高潔な状態」を指します。
本来、スポーツには人々を幸福にし、社会を善い方向に導く力があるといわれています。スポーツが本来持つ力を発揮するためには、その前提として、スポーツの「インテグリティ」が守られていることが重要です。
しかし、スポーツ界にはいま、ドーピングや八百長、スポーツ指導における暴力、ハラスメント、ガバナンスの欠如など、「インテグリティ」を脅かす様々な問題があります。
現在、スポーツのインテグリティ保護・強化に向け、国際オリンピック委員会や国際競技連盟、世界アンチ・ドーピング機構等の国際スポーツ統括組織の他、近年特に欧州評議会等において活発に議論され、対策が進められています。
日本ではJSC(日本スポーツ振興センター)が日本における「Integrity of Sport」の保護・強化を目指し、2014年に「スポーツ・インテグリティ・ユニット」を設置し、この取組を推進しています。
スポーツ団体のガバナンス強化に係る調査・研究、及び団体への支援に関する業務を実施しています。
トップアスリートを対象とした「スポーツ指導における暴力行為等に関する第三者相談・調査制度」に関する業務を実施しています。
公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構(JADA)と連携し、アンチ・ドーピングのため、インテリジェンスを用いた調査業務、及び関連する調査・研究を実施しています。
スポーツ振興投票の公正性の確保に係る調査等を実施しています。
2011年〜 | EWS (FIFA早期警告システム)と契約締結し国内主要大会をモニタリング。以降契約を継続。 |
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2013年 | AFC加盟国協会として初めて、FIFA/インターポール主催のインテグリティワークショップを開催。これを機に、サッカー界、及びサッカー界以外の様々なステークホルダー間(警察、スポーツ庁、日本スポーツ振興センター、日本オリンピック委員会、JFA、Jリーグ、JFL、Jリーグクラブ、審判、指導者等)で連携する会議体であるインテグリティ協議会・インテグリティプロジェクトを設立。 |
2014年 | 各年代日本代表選手に対して八百長防止の教育を実施。 |
2015年 | Jクラブコンプライアンスオフィサーを主な対象者として、JFA・Jリーグインテグリティーセミナーを開催。 |
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セーフガーディングとは、児童や青少年、弱い立場にある大人が安心して活動できる環境づくりを促進し、様々な危害から守るための取り組みのことです。 国際サッカー連盟(FIFA)は 、「FIFA GUARDIANS(FIFA ガーディアンズ)」を定め、「子どもたちの安全を守り、サッカーに参加することが、すべての人々にとって楽しみであるよう」取り組んでいくとしており、「子どもたちの安全保護に関する最小限の要件」を提示しています。 これを受け、各国のサッカー協会やリーグなどでもセーフガーディングポリシーを定め、誰もが安心・安全にスポーツに取り組める環境づくりを進めています。 Jリーグは、2020年よりセーフガーディングワークショップを毎年開催し、全クラブとセーフガーディングの考え方を共有するとともに、Jクラブのアカデミーにおいては、担当者配置、スタッフ・選手・保護者の行動規範を定めるなど、育成環境においてセーフガーディングに関する具体的な整備を行い、Jリーグアカデミークオリティースタンダードにも盛り込んでいます。
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