Jリーグは地域に根差したスポーツクラブとして、地域の方々、活力のある地域社会の実現、そして地域社会の土台となる健全な自然環境の保全と再生のための取り組みを推進しています。
「地域社会と一体となったクラブづくり(社会貢献活動を含む)を行い、サッカーをはじめとするスポーツの普及および振興に努めなければならない」(Jリーグ規約第24条2項)
Jリーグは、プロスポーツを運営するだけでなく、豊かなスポーツ文化の醸成を実現することを理念に掲げ、多くの人々が気軽にスポーツを楽しめるように、Jクラブは地域スポーツの振興活動を積極的に行っています。総合型スポーツクラブを目指して、サッカー以外のスポーツのチームを持つJクラブも増えてきました。
プロサッカーリーグの発足にあたって、Jリーグはヨーロッパのサッカークラブやスポーツクラブを視察し、クラブづくりの参考にしてきました。一貫した育成組織を持つサッカークラブでありながら、他の競技のチームを所有するクラブ。トッププロ選手がいる一方で、近隣の人々が利用出来るスポーツ施設が併設されているクラブ。スポーツ施設の利用客が、トップチームの練習を見学しながら飲食を楽しめる施設があるクラブ。クラブの運営や、試合運営に関わるボランティアの姿など、そこにはクラブを中心にスポーツを楽しみ、スポーツに関わる人々の姿がありました。世界のトップレベルに位置するクラブにも、4部や5部といったトップシーンに現れないクラブにも、必ずホームタウンとチームを結びつける「クラブ」という存在があります。
Jリーグは、こうした欧州のクラブを例に、Jリーグが日本スポーツのトップに位置する存在として果たすべき役割は、日本サッカーのレベル向上だけでなく、企業スポーツや学校体育にはない新しいスポーツの在り方を創造することにあると考えました。その理念を体現するのが、地域に根ざした総合スポーツクラブとして存在するJクラブです。
Jリーグは、Jクラブが取り組む様々な地域のスポーツ振興活動に資金面でのサポートをしています。また、2007年から2009年にかけて、厚生労働省と連携して実施する「Jリーグ介護予防事業」を展開してきました。 これは、2006年に施行された改正介護保険法に基づく、介護予防普及事業の一環としての活動です。2010年以降は、地域スポーツ振興活動と、介護予防事業を一本化して支援し、各種スポーツのチーム運営、大会の開催、フットボール以外の競技も含むスクール活動・教室などに加え、体力測定やフィットネスなどを行う健康教室などが開催されています。 近年ではJクラブと自治体との連携で開催されるスポーツ振興活動や介護予防施策、Jリーグの支援を受けずJクラブが独自に開催するスポーツ大会や教室なども増え、その活動は20年以上続いているものもあります。
Jクラブは、地域の一員として、そして社会の一員としての役割を果たすために、ホームタウンで様々な活動を行っています。地域の行事への参加、街の清掃活動、学校や病院等の施設訪問や交流などを通じて、地域の活性化に参加しています。近年では、自然環境に配慮した試合運営やスタジアムの運用、選手育成や競技の普及活動などのノウハウを活かしながら、環境問題や、学習方法の新しい提案、食育の推進など、主に教育分野との連携が盛んに行われています。
また、Jリーグとしては、Jリーグのパートナー企業とともに、これらの活動に参加しています。
社会課題や共通のテーマ(教育、ダイバーシティ、まちづくり、健康、世代間交流など)に、地域の人・企業や団体(営利・非営利問わず)・自治体・学校などとJリーグ・Jクラブが連携して、取り組む活動です。
三者以上の協働者と、共通価値を創る活動を想定しており、これらの社会貢献活動等を通じて、地域社会の持続可能性の確保、関係性の構築と学びの獲得、それぞれのステークホルダーの価値の再発見に繋がるものと考えています。また、Jリーグはシャレン!を通じて、SDGsにも貢献しています。
全クラブがエントリーしたシャレン!活動の中から、特に社会に幅広く共有したい活動を表彰するイベントで、2020年より実施しています。例年、一般投票・表彰選考委員会を経て各賞を決定、毎年5月に実績を讃え、表彰式を行います。
猛暑、大雨、台風などの異常気象をもたらす気候変動の影響によって、サッカー、地域スポーツ振興やホームタウン活動の前提となる社会の土台そのものが脅かされています。Jリーグは、サッカーを通じて、夢と楽しみを提供し続けるために、そして、未来の子どもたちが無邪気に「サッカー選手になりたい!」と言える社会を守るために、気候アクションを進めています。
私たちは、「環境的にも、社会的にも、経済的にも、持続可能な形で地域と共に発展を遂げる」ことを念頭に置いて、「気候変動問題の解決と地域創生 」の両方に貢献することが出来る領域を優先して、気候アクションを進めていきます。
そうしたアクションを進めるためにも、まずは事業として出してしまっているネガティブなインパクトを削減することで、「Jリーグ自らがクリーンになる」ことが大切だと考えています。その第一歩として、2023シーズンより全公式試合のCO2排出量を可視化すると共に、パートナー各社の協力を得て、各社が所有するFIT型化石証書・グリーン電力証書を活用し、会場で使用する電力を再生可能エネルギーでまかなっています。そして、中長期的には、法人としての事業活動全体で排出しているCO2を可視化するとともに、その削減施策に取り組むことで、2050年のカーボンニュートラル実現を目指します。
同時に、気候変動問題を解決し、地域創生を実現するために不可欠となる、①意識、②行動、③社会システムの3つの変容に、サッカーファミリーと共に順を追って取り組みます。ファーストステップとして、「気候変動とサッカーには深い関係があり、サッカーファミリーはその解決の力になれる」という意識の醸成に注力します。ネクストステップとして、地球とサッカーを守るための「カーボンニュートラルを意識した選択と行動」がサッカーファミリーのスタンダードになるためのアクションを進めていきます。そして、そうした個々の行動の受け皿として、様々なステークホルダーの皆さまと共に、「カーボンニュートラルと地域創生を両立するための社会システム」の実現を目指したいと考えています。
NTTグループの持つテクノロジーを用いて、ファン・サポーターや市民が気候アクションに参加・継続しやすい仕組みをつくり、Jクラブと各地域に展開することで、気候変動対策に関する人々の日々の行動変容を実現する。JリーグとNTTグループの協働プロジェクト「TH!NK THE BALL PROJECT」を開始した。
「明治安田×Jリーグの森 ~未来をつむぐ森~」として、明治安田生命保険相互会社と森林(神奈川県および山梨県)における取り組みを協働で実施。
こども向けの環境勉強会、自治体との意見交換、Jクラブ、ファン・サポーターを交えたイベントを行い、各地域の方へ気候変動対策の必要性を知ってもらうきっかけづくりを行う。
丸紅新電力株式会社よりFIT非化石証書の提供を受け、2023年2月~6月に開催されたJリーグの公式戦約600試合で使用した電力を実質再生可能エネルギーとすることで、温室効果ガス排出量をゼロにする。
※ただし、上記期間において、すでに再エネ・実質再エネ電力を調達しているスタジアムにおける試合を除く。
本自然エネルギー株式会社が風力発電によるグリーン電力
(自然エネルギー)の利用を証するマーク
株式会社ユーラスエナジーホールディングスが所有する風力発電所が生み出す電気の環境付加価値を、グリーン電力証書の発行業者である日本自然エネルギー株式会社が証書化したものの提供を受け、2023年7月~12月に開催のJリーグの公式戦約600試合で使用した電力を実質再生可能エネルギーとすることで、温室効果ガス排出量をゼロにする。
Jリーグ気候アクションへのアドバイスおよびサポートを通じ、気候アクションの更なる促進を図る。
サステナビリティ領域およびスポーツビジネス領域におけるさまざまな支援を通じて蓄積してきた知見やノウハウを活用し、Jリーグが目指す“ホームタウン全てでのカーボンニュートラルと地域活性化を両立するための社会システムの実現”に向けて、ともに取り組む。
Jリーグ気候アクションパートナーロゴ
現地ニーズを勘案した物資の寄贈、被災地訪問、被災地からのご招待など募金は、各クラブが行う独自の復興支援活動に活用したり、クラブが選択した公的機関やNPO団体等に寄付することもあります。
TEAM AS ONEの対象となるのは、内閣府によって激甚災害指定を受けるもしくは受けることが想定され、当該地域の人々およびJクラブに甚大な被害をもたらし、支援が必要とチェアマンが判断した災害となります。現時点では以下の7つの災害が対象です。
引き続き、みなさまのご協力よろしくお願いいたします。
皆さまのご支援・ご協力に心より感謝申し上げます。
下記は、JリーグのTEAM AS ONE募金口座でお預かりした金額の集計です。
この他、いただいた募金を地方自治体や日本赤十字社の義援金口座に、直接振り込ませていただくことがあります。
またクラブが独自の方法で、復興支援活動の原資として活用することもあります。