Press Release プレスリリース
2020.4.15
Jリーグは本日の臨時理事会において、2020シーズン以降のJリーグクラブライセンス制度について、特例措置での対応を決定しました。
新型コロナウイルス感染拡大によるクラブの財務状況への影響が大きいことや、試合日程延期によりホームスタジアムの確保に支障をきたしていることを踏まえ、Jリーグクラブライセンス交付規則(以下「交付規則」)第43条第1項の規定に基づき対応するものです。
■特例措置の内容
・以下の基準においては、クラブが交付規則に定めるライセンス基準を満たさない状況となったとしても、既に交付されている2020シーズンのライセンスについて、交付規則第23条第3項「FIB(クラブライセンス交付第一審機関)またはAB(クラブライセンス交付上訴機関)の決定により、Jライセンスを取り消されまたは制裁を科され得る」の対象としない
・2021シーズンのライセンス交付決定(交付規則第22条)についても同様に、「FIBまたはABが各ライセンス基準を充足しているか否かの判定」の対象としない
・財務基準F.01に関する当期純損失については、2022シーズン以降のライセンス交付決定においても、「3期以上連続」のカウントには含めないものとして取り扱う
※特例措置の対象となるのは、未充足の理由が新型コロナウイルスの影響であると認められる場合に限られ、クラブからの申請に基づきJリーグ理事会で決定する
■対象基準および特例措置の考え方(交付規則)
対象基準 | 懸念事項 | |
施設基準 (第34条) | I.01 「公認スタジアム」 | 試合延期による日程変更や施設所有者の方針(公共施設の閉鎖)で、ホームゲーム数の80%以上をホームスタジアムで開催することができない |
特例措置の考え方 | ||
基準I.01に定める「Jリーグ公式試合におけるスタジアムの使用とは、ホームゲーム数の80%以上を当該スタジアムで開催すること」を満たさない場合でも、I.01を満たさないとは判断しない。 |
対象基準 | 懸念事項 | |
財務基準 (第37条) | F.01 「年次財務諸表(監査済み)」 | 試合延期の影響(平日開催の増加・自粛ムード等)や、スクール活動の休止、スポンサー営業の不振などで、3期連続赤字および債務超過に陥ってしまう |
特例措置の考え方 | ||
19年度決算および20年度決算において当期純損失を計上しもしくは純資産がマイナスとなった場合でも、それが、新型コロナウイルスによる影響であると認められる場合には、F.01に対する運用細則3.(2)①に定める「3期以上連続で当期純損失を計上した場合」においては、当該年度をカウントせず、同②「純資産の金額がマイナスである(債務超過である)場合」に該当する場合でも、F.01を満たさないとは判断しない。 ※19年度決算および20年度決算において特例措置が認められた場合、当該年度の当期純損失および債務超過についてカウントしないものとして取り扱う。(下記「備考」参照) |
対象基準 | 懸念事項 | |
財務基準 (第37条) | F.06 「予算および予算実績、財務状況の見通し」 | 試合延期の影響(平日開催の増加・自粛ムード等)や、スクール活動の休止、スポンサー営業の不振などで、3期連続赤字および債務超過に陥ってしまう |
特例措置の考え方 | ||
20年度決算見込みにおいて、F.06に対する運用細則3.⑤に定める「基準F.01に対する運用細則の内容を充足する内容でないと判断される場合」に該当する場合でも、F.06を満たさないとは判断しない。 ※④に定める「資金不足に陥る可能性または経営の継続が困難となる可能性が高いと判断される場合」に該当する場合は、F.06は満たさないものとする。 |
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
当期純損失 (1期目) | 当期純損失 (2期目) | 当期純損失 (カウントしない) | 当期純損失 (3期目となり、財務基準に抵触) |
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
資産超過 | 資産超過 | 債務超過 (カウントしない) | 債務超過 (財務基準に抵触) |
規則番号 | 等級 | 項目およびその内容 |
I.01 | A | 公認スタジアム(1) ライセンス申請者は、AFCクラブ競技会およびJリーグ公式試合の試合開催に利用することのできる、以下のいずれかの条件を満たすスタジアムを確保しなければならない。 ① ライセンス申請者がスタジアムを所有していること ② ライセンス申請者と使用するスタジアムの所有者(複数ある場合はそれぞれのスタジアムの所有者)との間で、AFCクラブ競技会のホームゲーム(ライセンス申請者が出場資格を得た場合)およびJリーグ公式試合においてスタジアムを使用できることが、書面にて合意されていること。なお、Jリーグ公式試合におけるスタジアムの使用とは、ホームゲーム数の80%以上を当該スタジアムで開催することを指す (2) 前項のスタジアムは、日本国内にあって、JFAおよびJリーグに公認されており、「Jリーグスタジアム基準」に定める要件を満たしていなければならない。ただし、当該スタジアムがAFCクラブ競技会の会場として使用可能か否かを決める権限はAFCが留保する。 (3) 第1項に定めるスタジアムの所有者との合意を示す「ホームスタジアム確認書」は、当該書類の提出日から2年以内に発行されたものでなければならない。 |
規則番号 | 等級 | 項目およびその内容 |
F.01 | A | 年次財務諸表(監査済み)(1) ライセンス申請者は、AFCおよびライセンサーの指示に基づき、ライセンス申請者の有する法人格に対する国内法令に基づいた年次財務諸表一式を作成し、Jリーグに提出しなければならない。なお、当該財務諸表は監査法人または公認会計士の監査を受けたものとし、ライセンサーの求めに応じ、決算の詳細はライセンサーに開示されなければならない。 (2) ライセンス申請者は、前項の資料に基づき、ライセンスを申請した日の属するシーズンの翌シーズンのライセンス交付について審査されるものとする。ただし、ライセンス申請者が、前項にいう会計監査人から監査報告書において否定的意見が付されたかまたは意見不表明となった場合には、審査に及ばないものとする。 |
F.06 | A | 予算および予算実績、財務状況の見通し(1) ライセンス申請者は、ライセンス申請締切日が属するライセンス申請者の事業年度の年次の損益予算を科目ごとの明細とともに、その前事業年度の末日までに提出しなければならない。なお、当該損益予算は、取締役会または理事会(取締役会設置会社でない場合は株主総会)で承認されたものとする。 (2) ライセンス申請者は、Jリーグが指定する期日までに、ライセンスが交付されるシーズンを含む決算期におけるライセンス申請者の予算実績および財務状況の見通しを説明する資料を提出し、その資料に基づいてCLAの調査を受けなければならない。 CLAはこの調査により、当該決算期において、当該申請者の 経営の継続が困難であるか否かを審査するものとする。 |