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Press Release プレスリリース

2009.2.9

Jリーグ育成・下部組織指導者研修会

ひとたび練習が始まれば、プロのチームかと思うほど激しくハイレベルなプレーが続くものの、ひとつのメニューが終わると全員で丸くなって長い時間活発に話し合っている。事情を知らない人から見れば不思議な光景でしょうが、それでも熱意と密度の高さだけは十分に伝わってきます。

これは2月上旬から中旬にかけてJリーグが開催した「Jリーグ育成・下部組織指導者研修会」でのひとコマ。この研修会は、Jリーグの下部組織に所属するジュニア年代(U-11/U-12)の指導者を対象に毎年開催されているものです。目的は、1.指導者としての資質の向上、2.指導者間の情報交換や交流、3.自クラブや地域に向けての情報伝達と共有化、といった部分が主なところ。その根底には、「プロを育てるコーチになってもらう」(上野山信行Jリーグ技術委員長)という大目標があり、そのために毎年高いレベルを求めた講習を行なっています。

実際、ピッチ上でのディスカッションでは、「あのときのアドバイスは、ああした言い方で子どもたちに伝わるのか?」「あの場面では、先にミスの原因を整理すべきだったのではないか」といったように、非常に細かいところまで深く掘り下げた議論が行なわれていました。上野山技術委員長は、この研修で特に重視するポイントについて、次のように語ります。
「まずはサッカーとしてゴールを奪う、ゴールを守るという考え方の基軸を共有しよう。将来プロになるために必ず必要だという部分は日本中で共有しなければなりません。そうでない部分は自由な発想のサッカー観でOK。あとはコーチングの面。子どもたちへの接し方、話し方という部分で、話す内容や言葉使いが適切だったかどうかとディスカッションしています。もちろん、コーチングの前提には分析があって、たとえばミスの原因を分析して、それを矯正する方法論を持っているかどうか。その方法論をどう伝えるのか。言葉という部分もすごく大事にしています」

参加者ひとりひとりが自分なりの練習メニューでコーチングを行ない、それについて多角的にじっくり検討するという形式を人数分行なうため、どうしても時間がかかります。予定が変更になることもよくあり、参加した指導者たちには体力的にもかなり厳しいものになりましたが、ピッチ上で疲れた表情や集中を欠く姿を見せる人は誰一人いませんでした。

それだけ参加者たちにとって刺激を受けることが多く、「他のチームのコーチと深い話ができるのも貴重な経験」と語る人もいて、昼も夜も濃密な時間を過ごしていました。そして、彼らはその後自分のクラブに戻り、同僚にここで得たものを伝えると同時に、地域のジュニア年代の指導者たちにも情報を発信していくことになります。
“こうした取り組みを地道に毎年繰り返していくことが、一見遠回りのようで、日本サッカーがレベルアップするために本当に大事なこと”。そうした信念を、この場に居合わせた全員が共有しているように見えた研修会でした。


【Jリーグ育成・下部組織指導者研修会】
■期日:
J1クラブ対象=2009年2月9日(月)~11日(水)
J2クラブ対象=2009年2月11日(水)~13日(金)
■会場:ヤマハリゾート つま恋(静岡県掛川市)
■主催:(社)日本プロサッカーリーグ
■講師:
池谷 孝(清水エスパルス 育成センター長)
上野山 信行(Jリーグ技術委員長)

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