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Press Release プレスリリース

2010.8.24

2010 JリーグU-12フェスティバル 愛媛会場 レポート

松山市の奥座敷、道後温泉から車でさらに30分。遠く瀬戸内海を望む山の中腹に、“松山市野外活動センター”はあります。8月24日(火)~26日(木)の3日間にわたり、ここで、「2010 JリーグU-12フェスティバル in 愛媛」が開催されました。

愛媛会場でU-12フェスティバルが開催されるのは、今年で4回目。近畿以西では唯一の会場とあって、今年も西日本の各地から参加者が集まりました。参加したのは、京都サンガFC.、ガンバ大阪、愛媛FC、アビスパ福岡、サガン鳥栖、ロアッソ熊本、大分トリニータ、そして地元松山市の松山市トレセンから、合わせて177人の子どもたちと24人のコーチ、合計200名以上。8月24日の午後1時、ツクツクホウシの声が響く体育館で行われた開会式から、3日間のプログラムがスタートしました。

開会式の直後から、子どもたちは元の所属チームを離れ、1チーム15~16人で構成される12の混成チームに分かれて活動します。24日と25日の2日間は、サッカーのゲームはもちろん、ASE※プログラムや三度の食事や入浴、就寝など、あらゆるプログラムが混成チーム単位で行われ、各チームには参加コーチに加え、(社)日本キャンプ協会のスタッフ1名も付き、活動をサポートします。

まずは、日本キャンプ協会のスタッフが指導するASEプログラムを体験。初めて会う仲間との心理的な抵抗感を低減させる、「アイスブレーキング」と呼ばれるゲームを行いました。当初は初対面同士よそよそしい雰囲気でしたが、1時間後には緊張もほぐれ、笑い声が響きわたります。続いて、夕食のカレーライスを屋外で作る“野外炊事”にチャレンジしました。もちろん、混成チームごとに食材を刻み、火をおこし、お米を炊いて、カレーを煮込みます。カレーの美味しそうな匂いが漂い始める頃にはもう、以前から友だち同士であったかのように、楽しげなコミュニケーションの輪が出来上がっていました。

「メインに据えているのは、『混成チームでの活動』そのものです。初めて会う仲間とチームを組み、サッカーに限らず、寝食をともにすることで、社会性や協調性を身につけてほしいと考えているのです」
と、愛媛会場のコンセプトを話してくれたのは、愛媛FCアカデミースポーツ普及部のコーチ、坂元裕紀さん。主管クラブ愛媛FCの担当者として、事前準備と期間中の運営に奔走しました。

2日目の25日からは、サッカーのプログラムがスタート。1試合20分(10分ハーフ)の8人制サッカーです。会場は、愛媛FCのトップチームが練習に用いることもある天然芝のピッチ。憧れのJリーグ選手が実際に使用するピッチでのゲームに、子どもたちも興奮している様子でした。

25日午前中は12の混成チームのうち、6チームがサッカーを、残る6チームはASEプログラムを体験しました。午後にはそれぞれ参加チームが入れ替わります。ASEプログラムの狙いを、指導する日本キャンプ協会の高瀬宏樹さんへ伺うと、「午前中のプログラムでは、午後に行われるサッカーでチームとして最大のパフォーマンスが発揮できるように。午後のプログラムでは、今日で一区切りとなる混成チームでの活動の集大成となるように、と若干狙いを変えています。このアクティビティを通じて身につけてほしいのは、自分の考えを他人に伝えるコミュニケーション能力。それは社会ではもちろん、サッカー選手としても重要な能力です」と話してくれました。

またこの日の午後には、JリーグOB選手(J-OB)の野々村芳和さんと権東勇介さんが会場を訪れ、サッカーで子どもたちと交流。夜には野々村さんの講習会も行われました。
「みんなの夢、プロサッカー選手になるために必要なことを考えよう。なんだと思う?」
野々村さんの話術に、子どもたちも積極的に反応。次々に挙手して意見をぶつけます。
「テクニック、判断力、体力が上達するだけではなく、それプラス、メンタル、気持ちが大切だよ。メンタルとは心の強さ。それがなくては、どんなにスピードやテクニックがあっても、プロサッカー選手にはなれない」
普段テレビモニター越しに見る野々村さんが、目の前で熱く語りかけてくれる状況に、子どもたちも目を輝かせて聞き入っていました。

26日の最終日には、所属チームごとの8人制サッカー大会を行い、愛媛会場での3日間の活動に幕を下ろしました。初めて会う仲間とチームを組んでのサッカー、ASEプログラム体験や講習会への参加。愛媛で体験したプログラムは、サッカー選手としてのレベルアップのみならず、子どもたちの豊かな人格形成に大きな役割を果たすことでしょう。

※ASE :ASE(Action Socialization Experience:社会性を育成する実際体験)は、イニシアティブ・ゲーム(Initiative Games)とも呼ばれ、1つの小グループがひとりでは解決できない精神的・身体的課題に対し、メンバーそれぞれの諸能力を出し合い、協力しながら課題を解決する活動。野外教育における「コミュニケーションやチームビルディング」という取り組みを抜き出しパッケージ化し、それをアクティビティ(ゲーム)としてプログラム化したものがASEです。

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