Press Release プレスリリース
2015.9.25
9月16日(水)、FC東京でトップチーム選 手・スタッフを対象に「アスリート交流会」が開催されました。
講師は、車いすバスケットボール2015年リオ・パラリンピック予選代表の香西宏昭さん。
千葉県出身の香西さんは、12歳のときに車いすバスケットボールと出合い、名門チーム「千葉ホークス」でプレー。高校卒業後はアメリカへ渡り、イリノイ大学で全米大学選手権優勝。2013年8月にイリノイ大学を卒業し、ドイツ・ハンブルガーSVでプロ選手として欧州で挑戦を続けながら、日本では「NO EXCUSE」に所属し、リオ・パラリンピック出場に向けて日本代表としても精力的に活動をされています。
講演テーマは「スポーツを通じて何ができるか」。
導入の自己紹介では、自身の障害の特徴、経歴、車いすバスケットのルールなどの説明がありました。ルール説明では、映像を用いながら、基本はバスケットボールと同じこと、障害の程度により持ち点が違い、コートに出ている選手の持ち点の合計が決められていること、チームプレーでは持ち点の低い(障害の重い)選手のところを突くなど、戦術にも触れていただきました。さらに、競技用車いすと普段用車いすの違いや、車いすの値段などを選手たちに質問しながら、和やかな雰囲気で交流会はすすんでいきました。
今回は、香西さんが今、アスリートとして考えていること、「楽しむ!」「挑戦する(成長する)」「コントロールできる部分とできない部分の存在を理解する」「将来のことも考える」「スポーツを通じて何ができるかを考える」を、ご自身の経験をもとに伝えていただきました。
その中でも、13歳のときに出会った、マイク・フログリー氏(元イリノイ大学車いすバスケットボール部ヘッドコーチ)から「階段を上がるように一歩ずつ成長していこう。勉強もバスケットも」という言葉を胸にアメリカに渡り、留学後も、激しいトレーニングに立ち向かっていったこと、そして、言葉の壁に苦労しながらも英語を克服し、勉強を続けることがバスケットにつながると、必死に頑張り文武両道を成し遂げたことなど、イリノイ大学での学生生活の話はとても興味深いものでした。
そして、より高みを目指して自ら飛び込んでいったブンデスリーガ・ハンブルガーSVでの様子、日本代表の活動を踏まえて、自分の将来を見据えつつ、「スポーツを通じて何ができるか」について、香西さんは「社会を変えていきたい」と力強く話されました。「2020年東京パラリンピックで、果たして観客は来るのか、環境は整備されるのか、また、パラリンピック後も継続していかないと社会が変わったことにならない。そのために自分は何ができるのかを考えながら過ごしている」とメッセージされ、交流会のまとめとされました。
練習前にも関わらず集中して話を聞いていた選手たちから、「楽しむことのたいせつさ、成長するために挑戦すること、自分自身もそういう気持ちでやっていきたいと思った」「どのスポーツでも海外でプレーするには言葉の壁があって、そこがすごく重要なことだと思った。好きなことをやるために辛いことやきついことを乗り越えていかないといけないということも改めて感じた」など、共感のコメントが多く寄せられました。
写真協力/FC東京