SEASON REVIEW 2023

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MANAGEMENT

Jリーグ関連事業
~JリーグFUROSHIKI・JLOC~

JリーグFUROSHIKI/Jリーグ公式映像制作

JリーグFUROSHIKIとは、Jリーグが著作権を有する公式映像をはじめとした映像コンテンツや静止画、スタッツデータなど、全てのデジタルアセットを集約し、一元的に制作・編集・供給・配信などをマネジメントするデジタルアセットのハブ機能である。
構築開始は2016年。2017年に英国のパフォームグループ (現・DAZN) と放映権契約を結んだのを機に、Jリーグは自らが中継映像を制作し、著作権を有することで、全試合統一フォーマットでの制作やデジタルアーカイブ化など、リーグ主導で映像活用の利便性向上やブランディングを図っていった。
JリーグFUROSHIKIの活用により、デジタルアセットのマネタイズはもちろん、ファン・サポーターの満足度向上や国内外での新規ファン獲得に向けたコンテンツ制作、デジタルアセットの活用によるサッカー戦術・競技性向上への利活用などの効果が期待されている。さらに、蓄積された映像関連のノウハウを他スポーツにも展開し、国内のスポーツビジネスエンターテインメントの発展にも寄与している。

"JリーグFUROSHIKI" コンセプト

2017年のDAZNとの契約を契機として、従来の放送局による映像制作体制に代わり、Jリーグが主体となって公式映像を制作している。当初はDAZNスタッフと共に映像制作・管理を行ってきたが、現在は全てJリーグマルチメディア事業本部のメンバーが、公式映像制作会社との契約や、試合日の映像監視を行っている。公式映像制作においては、Jリーグが定めたコンセプトの下で、ガイドラインの作成やカメラスペックの設定、実況・解説のキャスティングを行う。また注目試合においては、より多彩な映像を制作するために追加機材を手配するなど、全てのプログラムのクオリティコントロールを行っている。
J.League Operation Center(JLOC)
Jリーグ60クラブの各スタジアムで制作されたJリーグ公式映像は、Jリーグが各スタジアムに手配した回線を通じて、東京にある回線センターに集められている。JLOCは、この回線センターに設けられ、全試合の公式映像の集中監視を行っている。回線プロバイダーならびに各スタジアムに配備された中継車とJLOCの間では、常時インターカムで会話が可能であり、これにより、試合日に生じたトラブルを把握してスピーディーな対策を講じるとともに、起きている事象をJリーグ内やステークホルダーと広く共有できるような体制を取っている。 JLOCには、試合会場からCGが載っていない映像が送られてくる。CGをコントロールする機材はJLOC内に配備されており、各スタジアムの中継車から遠隔操作を行うことによって、CGを載せた映像を作り出して視聴者へ届けている。ライツホルダーに対しては、求められた映像を適切なタイミングで提供し、同時に映像のアーカイブも行うことで、事後のさまざまなニーズに応えられる管理体制を取っている。
制作概要 JLOCとリモートグラフィック
  • 注1:PGM プログラム出力信号
  • 注2:ダーティー グラフィックスやアニメーションワイプ入りのプログラム映像
  • 注3:クリーン グラフィックスやアニメーションワイプが含まれていない映像

他スポーツへの広がり

Jリーグの理念の下、JリーグFUROSHIKIは、他のスポーツ団体に対してデジタルアセットの管理ノウハウを提供することで、日本のスポーツ産業の発展に寄与することも目指している。 バスケットボールの「B.LEAGUE」とは、その初年度より映像のアーカイブ管理で連携し、メディアへの映像提供などをサポートしてきた。また、卓球の「Tリーグ」と女子プロサッカーの「WEリーグ」 においては映像管理業務に加え、2021-22シーズン、2022-23シーズンの 2シーズンにわたり公式映像制作を行い、両リーグと共に公式映像の品質向上に努めてきた。日本相撲協会の映像管理サポートや、プロ野球の千葉ロッテマリーンズのプロパティ管理・販売業務をサポートするなど、さまざまなスポーツ団体ともお互いの情報を交換しながら、デジタルアセットの利活用を推進している。

© T.LEAGUE/AFLO SPORT