Press Release プレスリリース
2014.2.3
「これだけさまざまな分野から素晴らしい講師の方々が集まる贅沢な研修はなかなかないですよ」
これは、PRコミュニケーションのグループワークを担当したある女性講師が選手たちに語りかけた言葉。その講師自身も、Jリーグトップパートナーである(株)アイデムで、さまざまな企業や団体に出張して講習を行っている大ベテラン。彼女の経験からいっても、これほど充実した研修はなかなかないと素直に感じたそうです。
2月1日から3日にかけて静岡県で開催された「Jリーグ新人研修」。今年は新たに開幕するJ3リーグの新人も含めて、総勢131名(一部2年目の選手を含む)が参加し、2泊3日の濃密な新人研修が行われました。
まず1日目は、中野幸夫専務理事によるによる講義「Jリーグのビジョン」からスタートし、午後には「Jクラブのビジネス」というテーマで6グループに分かれたグループワーク、夜には元日本代表・福田正博氏によるOB講話が行われました。とくに福田氏の講話は、印象に残ったと語る選手が多く、「僕らはもうアマチュアじゃなくて、スポンサーさんやお客さんのお金があって初めてプロとして活動できているということをあらためて感じました。1年目から勝負という話もされて、本当に1年目からしっかり勝負していこうと強く感じました」(小屋松知哉・名古屋)と、偉大な先輩の熱い言葉が大きな刺激になったようです。
そして今回密着して取材したのは、2日目の研修内容。ルールテスト・フェアプレー講習から始まり、アンチドーピングに続き、PRコミュニケーションと研修が続きます。
PRコミュニケーションとは、自分をファンやメディアにいかに印象良く、早く覚えてもらえるようにするためのコミュニケーションスキルのこと。まずは日本サッカー界のレジェンド“ゴン”こと中山雅史氏がその重要性を訴え、その後はグループワークで実践的な練習を行い、午後に各グループの代表がその成果を発表するという流れ。
午後の発表会で、グループEを代表して中山さんのインタビューに答えた金子翔太選手(清水)は、「自分はハキハキすることや表情を大切にするということを指摘されたので、そこを意識したんですが緊張して顔が少しこわばってしましました(笑)。でも、ゴンさんに直接インタビューしていただいて、他の選手にも少し覚えてもらったし、すごく達成感もあって良かったと思います」と、貴重な経験となったようです。
さらに2日目は、その後に「選手とソーシャルメディア」やリスクマネージメントに関するグループワークや講習も行われ、社会から注目される存在となった選手たちが気をつけなければいけないリスクや心得に関して学習しました。締めくくりは、2002年ワールドカップで活躍した戸田和幸さんが、夜のOB講話を担当。海外も含めた数々のチームでプレーし、昨年35歳で引退した豊富な経験を元に、「プロフェッショナルとは?」というテーマから始まり、自分がどのようにキャリアを築いてきたかという貴重な話を、選手たちに伝えました。
最終日の3日目は、「反社会勢力への対応&八百長について」や、サッカーくじのtoto、税金といったプロとして欠かせないテーマについて学び、最後は大病と闘いながら選手復帰を目指す塚本泰史さん(大宮アンバサダー)によるOB講話を聞いて、午前中いっぱいで新人研修を締めくくりました。
「福田さんや中野専務理事の話を聞いて、Jリーグはひとつの産業であり、選手たちだけではなく、運営を支えてくれるいろんな人たちがいて、スポンサー料やお客さんのチケット代があって成り立っているということを改めて実感できました。自分も選手としてだけでなく、1人の社会人としてJリーグを支えていかなければいけないということがわかりました」(シュミット ダニエル・仙台)
「ゴンさんの話を聞いて自分から発信することの大切さを学びましたし、年上の人にも物怖じせずにコミュニケーションをとっていくことが、プレーの成長にもつながっていくとわかりました。サポーターとか自分を支えてくれている人たちに感謝の気持ちを持ちながら、これから頑張っていきたいと思います」(オナイウ阿道・千葉)
実際に今回の新人研修を受けた選手たちの声を聞いてみると、彼らがこの3日間で得たものの大きさが伝わってきました。